ビートルズって何がすごいの問題。令和時代のビートルズとの付き合いかた
ビートルズって何がすごいんですか。
僕よりも上の世代のアーティストに聞けば色んな反応が来ると思う。
当時人気だったとか、ラジオやらレコード聴いて耳コピしたとか、機材や曲、アルバムの制作背景といったウンチク語り出す人がいたり...
とにかく、80年代までに生まれた人バンドマンならいくらでも語れるんじゃないかと思う。
しかしだ、10代、20代の大半のバンドマンには正直何がすごいのかわからない。
たとえ聴いていたとしても、とりあえずすごい(と言われている)から聴く、今の音楽の元になっているらしいから聴く、真似ると作曲ができるらしいから聴くといった理由ではないだろうか。
つまりなんらかの見返りを求めて聴いているというのが現実だろう。
というのも僕がそうだったのだ。
僕が好きなアーティストが、ビートルズが好きだから聴いてみたものの、良さがわからなかった。つい最近まで楽しみでビートルズを聴くことなんてなかったのだ。
ということなので、今回は僕に近い世代はどうビートルズを聴けばいいかを書いてみたい。
ビートルズって何がすごいのか
まずビートルズの何がすごいのか、一般的には
☆4人組ロックバンドのスタイル確立
☆世界中でヒットした
☆ファンが多い
☆新しい音楽を模索した。
☆今でもコピーされるほど曲の完成度が高くキャッチー
の4つになるだろう。
つまりロックバンドのとしての凄さとアーティストとしての凄さが評価されているといえる。
たしかにビートルズはロックバンドという形態をとっているが、僕としてはビートルズの評価するべきところはクリエイター集団としてだと思う。
新しい音を模索し、形にしていったところを一番評価したいのだ。
少し具体的に書いてみたい。
☆普通やらないエフェクターの使い方をした
例えばボーカルにディストーションかける、エフェクター蹴っ飛ばすなど伝説化している。エフェクターではないが、ジョンレノンは床に這いつくばって歌ったりもしてたらしい。
☆元祖DTMer
現代ではパソコンでいくらでも音声を加工できるが、そういうものがなかったアナログの時代にやっていたのがビートルズだった。音声を逆再生したり、ピッチを変えたり、DTMerやDJのような加工を試して今でもそれが使われていたりする。
確かにこう言った技術は彼らがレコーディングしていた以前から存在していたらしい。しかし、ひとロックンロールバンドがジャンルにとらわれず積極的に取り入れるには柔軟な考えが必要だったはずだ。
これは僕の意見だが、ロックバンドやってるアーティストにとって、「ライブの臨場感を閉じ込める」ことが音源を作る意味であり、「ライブで再現できないことは控えるべき」だと考えるアーティストが多いと思う。
「一発どりでミスも録り直さず収録した」「あえてアナログの機材を使った」「レコードのような」というワードにロマンを感じるバンドマンは多いと思う。ロックバンドにとって臨場感やライブ感がなによりも大事なのだ。
だからビートルズが実験的な音楽をやった当初、彼らのファン離れや批判が激しかったんじゃないかと思う。
「ロックバンドだろ?ライブでやれる曲作れよ」と言った具合に。
彼らにとってライブというものが重要ではなくなったというのがあったと思うが、ビートルズが方向転換したことはかなり勇気がいることだったし、探究心がないとできなかったはずだ。
ビートルズというと、なんとなくロックの伝統を重んじてるイメージがあっるだろう。
しかし、僕にとってビートルズはその真逆を行くバンドだ。
「臨場感」や「レコード」「ライブ感」「ロックンロール」と言った言葉からかけ離れたバンドなんじゃないかと思う。
ビートルズは既存のロックにとらわれない音楽をつくったのがロックなのだ。
僕らがビートルズから学ぶところは、そういったロック精神にあるだろう。