【ワルプルギスの夜】まどかマギカの『コネクト』を分析してみる【到来】
こんにちは、魔法少女になりたい26歳でございます。
明日、台風が来るということで警報が出ているわけですが、昨日からTwitterのトレンド上位のこの言葉・・・。
そう、ワルプルギスの夜です。
※ロリの日だと思った人はバッグベアードさんにおとなしく罵られてください。
ワルプルギスの夜とは、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』に登場する魔女の通称で、簡単に言えばカタストロフィを起こすラスボスのことです。
作中最強の敵キャラで、街ひとつ壊滅させるほどの能力を持っています。
そして明日、首都圏を通過する台風も史上最大級。
アニメファンは台風をワルプルギスの夜で例えているのです。
ということで、今回は『魔法少女まどか☆マギカ』のオープニング曲「コネクト」を解説していきます。
このコネクトですが、パチンコ屋の入り口でよく流れているので知っている人も多いかもしれません。
音源とリードシート
知らない人のために、今回ざっくりとひとまわし音源作りました。
※大人の事情でメロディがついてません。これでもダメそうなら削除します。
↓リードシートです↓
3つの特徴
このコネクトの作曲目線での特徴はこの3つです。
- 何度も転調する
- 同じコード進行を形を変えて繰り返す
- メロディの出だしに7度を多用する
特に上ふたつの「何度も転調する」「同じコード進行を形を変えて繰り返す」はこの曲が表現したいことにつながっている要素になります。
何度も転調する
この曲の構成は、イントロ→Aメロ→Bメロ→サビとシンプルな作りです。
しかし、何度も転調が繰り返されているところに注目です。
具体的にみると、各セクションのキーは
- イントロ・・・F
- Aメロ、Bメロ・・・E♭
- サビ・・・G♭
というようになっています。
イントロのキーですら、サビのキーとは違うのです。
ただ、イントロを抜きにすればABメロとサビのキーには共通点があります。
それは、サビのキーであるG♭の平行調が、「E♭m」だとわかれば明らかです。
つまりABメロのキーは「E♭」サビのキーは「E♭m」なのです。
いわゆる同主調の関係です。
「E♭」という共通の中心音があるので、転調してもそれほど違和感が生まれにくいのです。
例えばモーツァルトが作曲したトルコ行進曲も同主調の転調が行われています。
Turkish March Mozart - Rondo Alla Turca
最初のテーマが「Am」のキー、「たたたーん たたたららら」のところ(これでわかってくれ・・・!!)は「A」のキーになっています。
確かに最初のテーマは暗い、あとで明るくなる、などの違いはありますが、そこまで劇的に変化しているようには聴こえないと思います。つまり転調が自然になります。
コネクトが転調しつつも一貫性をたもっていられるのは、同主調の転調だからです。
同じコード進行を形を変えて繰り返す
このように、コネクトは何度も転調しては戻ってを繰り返す曲ですが、コードはそれほど複雑ではありません。
というのも、ざっくり言えば
- 4536進行
- 2345進行
しか使われていないからです。
たとえばAメロとサビを比較してみると、ぱっと見違うコード進行が使われてるようにみえます。しかしディグリーを書いてみると・・。
「Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm(4536)」の流れが保たれているのがわかります。
たしかに途中で「間にディミニッシュを挟む」、「Ⅲmをメジャー化する」など形を変えることはあります。
しかし全く別のコード進行になることはなく、いずれも4536進行や2345進行の域でとどまっています。
7度のメロディ
Aメロとサビのメロディの出だしは、コードの7度の音です。
7度は合わせにくい音程ではあるのですが、独自の浮遊感があるので最近のアニソンによく使われています。ジャズっぽい洗練されているメロディを作るのに、7度の音を使うのは常套手段です。
「時間性」の表現
コネクトを分析してわかるのは、この曲が計算して作曲されていることです。
というのも、各セクション(ABメロやサビ)にはそれぞれ固有の時間が感じられます。
ABメロを「過去」としたら、サビは「今と未来」というような印象を受けるのです。
「歌詞がそうだからじゃないの?」という意見もありそうですが、いくら歌詞のなかで時間を強調しても、それほど強く感じないものです。
曲の構成やコード進行がそれに合っていなければ、逆に違和感を覚えてしまうからです。
コネクトの場合、転調したり同一のコード進行を使うことでそれを可能にしています。
4536進行がキーや形を変えて繰り返し使われることで、時間が流れ、ストーリーが
生まれるのです。
とりあえず書きたいことは書きました。
心おきなく台風のド真ん中へ出勤できそうです。もう、なにも怖くない。