きょくめも!

ちゃんかわのブログ

【音楽用語】調性音楽に祝福を! キーってなに?

※すぐに解説を読みたい方はこちら

売れないバンドマンの俺が異世界でロックスターになる話

 

オレの名前はちゃんかわ。

音楽で飯を食っていきたいから、今もフリーターしながらこうしてバンドを続けている。

 

 

今日は都内の箱でライブだった。

打ち上げをするのが日課だから、帰りはどうしても毎回遅くなってしまう。

 

若いとは思うけど、俺ももう26歳。

 

ギターを背負って、エフェクターボード転がして、夢を見て...

 

俺、本当にこのままでいいんだろうか

 

そう思ってた時だ。

 

キー!!!

 

横断歩道を歩いていると、トラックのライトが俺の顔に直撃した。

 

バーン!

 

俺は死んだ。ドラッグ(笑)。

 

才能あるアーティストは27歳で死ぬっていうけど、それに満たない年齢で死んだ俺はどのみち才能なんてなかったんだな...

 

ギターの練習よりもちゃんと勉強して、いい大学入って人生イージーモードしとけばよかったな。そうすれば死ぬこともなかったし...

 

はぁ...

 

そんなことを思った矢先だ。

 

「おめでとうございます!」

 

信じられないと思うが、目の前に今まで見たことがないぐらい美しい女神がいた。

 

あなたはCのキーの世界から、Dのキーの世界に転生するチャンスを得ました!

 

 

        

キーってなに?

と茶番が過ぎましたが、ちゃんかわの話は置いといて今回はキーを解説します!

 

キーというのはキーワードとかキーパーソンとかに使われるような「鍵となる」という意味です。

例えばCのキーの曲は、「Cが鍵になっている曲」、つまり「Cが中心の曲」ということになります。

 

こんな感じで、世に出回っている楽曲はある音を中心にして作られていることが大半で、これを調性音楽といいます。

 

調性音楽は中心になる音があるため秩序があって、耳に馴染みやすいのです。

 

無調性音楽


では、ある音が中心になってない音楽があるのかというと、実はあります。

無調性音楽といって、あえて中心音をださないように理論的に作られました。


20世紀前半の音楽家が、「音楽ってもう可能性無くない?」というマンネリを脱するために編み出されたものでしたが、メジャーになることはありませんでした。


秩序がないものは人間にとって受け入れがたいものなのです。


キーのイメージ


キーってどんなイメージかというと、それぞれのキーは世界みたいなもので、その平行世界が12個存在している、とイメージしてみることです。

 

SF好きには小宇宙が12個ある、といったほうがしっくりくるかもしれません。

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いくつもの世界が独自に存在しているイメージ


つまりCのキーの曲を作るとは、Cのキーの世界を作るということなのです。

 

実際、バッハとかベートーベンの時代はそれぞれのキーは独自の雰囲気を持っていると考えられていて、「このキーで演奏されなきゃダメ!」と強いこだわりを持って作曲されていました。

 

そのためなのか、クラシック音楽の題名にはキーがわざわざつけられています

 

キーは変わることがある

と、ここまである音が中心になって曲は作られていると説明しましたが、実際の曲ではキーが途中で変わることがあります。

 

これを転調とよびます。

 

転調することによって、曲が単調にならずマンネリを防げます

例えていえば、今の世界とは違う平行世界に移動する感覚です。

いうなれば異世界転生みたいなものです。

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転調した後、元のキーに戻ってくるパターン。


転調は、「Aメロ、Bメロは同じキーだけどサビだけ違う」パターンや、「Aメロの一部だけ転調して、また元のキーに戻ってくる」パターンなどがあります。

 

最初は転調してるかどうか見分けがつきにくいですが、「あ、今変わったな」という気づきが増えれば曲のコピーがものすっっっごく早くなります。

キーが変わったことがわかれば、そのキーのダイアトニックコード(そのキーでよく使われるコード)を予測できるので、とても効率よくコピーができるのです!


転調と移調の違い

 

さて、転調と似たような言葉に「移調」という言葉があります。

 

移調は、演奏する曲や歌う曲のキーを変えることを言います。
例えば、ラオケで歌いたい曲のキーを上げたり下げたりできますが、あれは原曲とは違う他のキーに変えているので移調していると言います。


なので、カラオケやライブで演奏する曲のキーを変えることは転調ではなく移調なので注意してください。(リハで転調と移調を混同して、メンバー間で食い違いが起こるのはバンドあるある。)

 

 

キーがわかれば曲が作れる!

 

今回はキーについて話しました。

キーという考え方はかなり重要で、曲をコピーしたり、聴きやすく秩序のある曲を作るには不可欠です。

僕もそうだったのですが、ギターやベースを始めてしばらくは耳コピやコード表で曲をコピーすることが多いので、キーという概念が抜け落ちたまましばらく過ごすことが多いです。

一方ピアノやバイオリンは、「キーとはなにか」がわからないと楽譜が読めないので、そういうことになりずらかったりします。。。

 

なので作曲するとき、コピーするときはキーを意識しましょう。

 

ちなみに僕は異世界に転生したら爆裂魔法の練習がしたいです。